ジャンボハンバーグ

 先週末、葬送のフリーレンというアニメを見たら戦士が喜ぶ大きなハンバーグが話題になっていた。

 ネットで検索してみたら料理レシピの中で、葬送のフリーレンの中で見て作ってみたとか書き込むいくつかのレポートがあった。日曜日だったから私もチャレンジしてみた。

 合いびき肉が700グラム近く残っていたのを使い切ることにして、レシピにないけど香辛料を買い足しに行ったりした。レジによく見る愛想の良いおばさんが見えなかったが、面白い食材を見つけた。それはまた後日。

 冷凍ひき肉に、ミキサーでみじん切りにした玉ねぎやパン粉などを入れたが、700gのひき肉に混ぜるほどの容量がなく大きめのビニール袋に全部放り込んで混ぜた。無駄に汚れ物を出したもんだ。

 出来た肉ダネを牛脂を引いたフライパンに放り込む。この時の高揚感は大したもんだ。フライパンにみっちりとパティが広がる。中央部分に小さな穴をあけて肉の厚みを確認したらどうやってひっくり返すのか、皆さんのレシピで苦心が分かったが一番慎重な方法を選んだ。

 しばらくすると中央部が盛り上がる。水分が蒸気圧となって持ち上がりっぱなし。穴をあけ直してフライパンに当たるようにする。これも何かおかしくて鼻歌になる。シンクの上へ移動して裏返す。冷凍餃子を裏返すように皿を使ってドッコラセ、大成功。(と思ったが、シンクに牛脂が垂れて後で掃除が大変だった)

 出来上がったハンバーグにデミグラソース風のソースを乗せてナイフとフォークを持って改めて眺めると、30センチの皿にデーンと20センチのハンバーグ。冷凍の温野菜をチンして盛り付けて見れば売れそうなジャンボハンバーグ。よく出来ました。いただきます。

 日曜の留守番は、かくして一人笑いがこぼれたのであった。一挙に食べた後の胃薬もいただきました。

 

 思えば、アニメに躍らされたのだが、マンガ、アニメはインフルエンサーとして使える。食材や調理器具もさりげなく紹介すればちょっとした経済効果だ。

 10年ほど前に、アメリカの料理レシピサイトを見ては面白そうな料理を試してたのだが、その中のいくつか動画を用い大きなホットプレート上で一度にいくつかの調理を同時に進める絵があった。その中で大きなホットプレートの便利さに少し触れ、変わった食材がとある全国スーパーでいくらで売られているか画面の中で矢印で紹介している。クリックするとコストも所要時間も分かる。こりゃあ便利だと見ていたら、数年前から日本でも動画付きレシピがアップされ始めた。しかし、手に入りにくい調理用具や食材の入手方法・値段が分かるものはもう少し先と思う。ビジネスチャンスに挑戦し続ける米国の意欲はすごかった。

 日本にはアニメがある!とか強がる気はないが、ビジネスにつながれば面白い。

 ある程度手慣れてしまうと、手順や作法が固定して行く。職人の流派だと言う人もいるが、きっと便利さや楽しさのエネルギーに淘汰されてゆくだろう。それを加速しつつビジネスにする。それによって付加価値が上がって値段が上がるなら納得できる。どこかのスーパーのように内容量を少なくしたり、単純に値上げすることには不愉快さが伴うが、本来のインフレの在り方はこうだろう。…などと講釈をたれてしまった。

 便利になる、楽しくなる、健康になる付加価値を。納得する値上げを。

 ジャンボハンバーグを一気に食べて動きが鈍った頭で書いてしまった。