廃棄物の撤去費用は誰が負担?

海に流れ込んだ廃棄物。その量は膨大だ。

それを分解処理する微生物の力は偉大だが、分解不能な物や微生物や海生生物を殺すものも多い。プラスティックごみ、セラミックやナノサイズの微粒子、分解しない薬品類等々。

トランプ大統領は米国海岸に漂着する物の投棄者に責任があると話している。

 

空に拡散する廃棄物も大量にある。

二酸化炭素などの温暖化ガスがその代表だろう。地球への紫外線を素通りさせるフロンガスなどもある。エネルギー消費による熱エネルギーの放出も大きい。

これらの排出者にも責任がある。まずアメリカがその第一の責任者だろう。

 

20世紀の末に、21世紀はゴミとエネルギーと食糧が人類の課題であり、大きなビジネスとなると言われた。

確かに、廃棄物、排出物という意味でのごみは、これまでは気にならなかったが、1900年に17億人だった人類は75億人に増え、一人当たりの排出量も3倍になった結果、地球上に撒き散らされるごみは分解能力を越えたと言える。

 

そういう意味で、トランプ大統領が、漂着するゴミに違和感を覚えて責任を訴えるのは必然だった。

排出ゴミに歯止めをかけようと提案し始めたのは20世紀の末。アメリカは温暖化ガス規制にそっぽを向いていた。

 

これから先、貿易戦争と同じように、ゴミ戦争が始まるかもしれない。

トランプ大統領は、ようやく廃棄物が過大になったことに気づき、何らかの戦略を打ち出すべきだと、うっすらとながら対応の必要性を感じ始めたのだろう。

 

ごみ戦争はごみビジネスの戦場でもある。温暖化がビジネスチャンスになっているように。アメリカはそこへ踏み出すのだろうか。(日本はアメリカが踏み出さない限りは動かないだろう) 欧州には手を挙げる企業が出てきた。

さて、地球の未来は明るいのか。それとも責任のなすりつけ合いに終わるのだろうか。