水害用語はややこしい。

横浜スタジアムの下は調整池で、台風の時に越流堤を越えて冠水したとか言っていたが、用語が分からん!と思い、自分でメモしておいた。その後、冠水は間違いとか、色々五月蠅いこと、うるさいこと。笑ってしまう。去年も冠水して報道されていたが、ネットでは水没などと物騒な言葉が用いられていたりした。
 
整理のためのメモを開陳してしまおう。
国土交通省の河川事務所の記事から拝借しました。best thanks
【河川について】
流域:一つの河口に、降った雨などが集まって来る範囲、地域。
水系:一つの流域内にある河川と湖沼、水路をまとめて総称する。一級、二級、単独などの区別がある。
本川:その水系を代表する河川。一般的には水量、長さなどがその水系の中で最も大きい川である場合が多い。(ほんせん)

支川:本川に合流する河川、支川に合流する河川をともに支川という。一次支川、二次支川などがある。
派川:ある川から分かれて流れる河川。曲がったり細くなったりする所で人工的に分岐させたものが多い。
放水路:水流が滞りそうな河川の部分を安全に速く流下させるために人工的に開削する水路で、海や他の川、湖へつなぐ水路。分水路とも言う。
捷水路:曲がった部分をほぼ直線的に繋ぐ水路。(しょうすいろ)

【洪水関連用語】

洪水:大雨などで河川流量が普段より増大すること、また、氾濫すること。
氾濫:河川や湖沼、水路などの水が溢れ出て広がること。
溢水:川などの水が溢れ出ること。(いっすい:そのまま排水されれば氾濫ではない)
越水:同じだが、堤防がない所では溢水、堤防がある所では越水と使い分ける。
浸水および冠水:洪水による氾濫で住宅や田畑が水につかること。住宅などが浸かることを浸水、田畑や道路、堤外地が浸かることを冠水と使い分ける。
漏水:洪水などで水位が上り、高い水圧で堤防に水道(みずみち)が出来て滲み出したり、流れ出て漏れて来ること。法面(のりめん)からの場合と堤防の下を通って湧き上がる場合がある。
深掘れ、崩れ、決壊:強い河川の流れや波などで特定部分の土が削られる、長い部分が削られる、崩壊してしまう状態をいう。

【堤防用語】
堤外地および堤内地:堤防の河川側を堤外地、その反対側を堤内地と呼ぶ。堤外地は低水路の上に河川敷(高水敷)を設けることもある。高い堤防には法面に表小段、裏小段、犬走りなどを設けることもある。
外水氾濫:河川の堤防から水が溢れ、または破堤、決壊して家屋や田畑が浸水すること。
内水氾濫:堤防から水が溢れなくても河川へ排水する川や下水路の排水能力の不足などが原因で、堤内地の水が排水処理できずに引き起こされる氾濫。高潮が影響することもある。
右岸および左岸:河口側から陸地方向を見て川の右側を右岸、左側を左岸と呼ぶ。
高潮堤:河口付近の河川域で、高潮を考慮してより高くつくられている堤防。
越流堤:洪水が起きないように遊水地や調整池などに水が流すよう、周辺の堤防より低くした堤防のこと。普段は水を止め、洪水時に水が流れる。
霞堤:本堤の堤内地に二段目、三段目の堤防を設ける洪水対策。武田信玄の信玄堤が有名。
陸閘:堤防の一部を低くして、橋などで川を渡れるようにしている場所で、洪水時に橋を通行止めにして門を閉じる、防水構造の門。天井川、海抜より低い低地、港などに多く見られる。堤防を繋ぐときに二枚の板(鉄か木)を開口部に渡し、その間に土嚢を積み上げる角落としも多い。運河に用いられる閘門のような落とし込み、開き戸、引き戸式などもある。(りくこう)

【海の水害関連】
高波:被害をもたらす高い波。高さなどは定義されていない。
高潮:台風などの低気圧、月齢などで潮位が高くなる現象。河口域では河川の水位も高くなる。
津波:主に海底で発生する地震で生じる大きな波をいう。大規模な海底地滑りのように地震が無くても起きることがある。

 

  長くなってしまった。

 環境大臣のように歯切れよく、滑舌よく、セクシーにはならない。

 新横浜公園は遊水地も兼ねており、今回の台風では計画的に越流堤を越水させ、グラウンドなどを冠水させて第二堤防でしっかりと住宅を浸水させることなく洪水を防いだ。と言えば良い訳だ。昨年3月の大雨の時のネットのまとめサイトで浸水とか水没とか言っていたが、さすがに今年はそんな表現はなかった。良かった良かった。洪水は起きたが氾濫は無く、堤防自体も深掘れも崩れもなく、もちろん決壊なども無かったから充分丈夫に作られているのだろう。横浜スタジアムも大したもんだ。あの作りを推進した先生は横浜の恩人だなあ。拍手と敬意を送ります。