胎児、小児のIQを下げる環境ホルモン。

 先日、 Environment Internationalという環境と健康に関する、査読付きの科学雑誌ですが、26の生活用品や環境に用いられる物質から出てくる化学薬品で、妊娠中から7歳までに子供が晒されるとIQが下がる疑いがあると発表した。

 例えば、ポリカーボネート製の食器などに用いられるビスフェノールA、エポキシ接着剤、エポキシ樹脂に用いられるビスフェノールF、シロアリ駆除などの殺虫剤、農薬に用いられるクロロピリフォス、化粧品やハンドクリームに含まれるポリフルオロアルキル、殺菌石鹸に入っているトリクロサン、塩化ビニールのシートを柔軟にする可塑剤フタル酸等である。

 日本の幼稚園、保育園ではポリカやエポキシの食器や厨房用具が用いられている。早く撤去すべきだろう。

 

 どのように調査してその結果を出したのかが難しいのだが、詳細はEnvironment International (英文)を読んでいただきたい。そこが難しいためか、それらの薬品、環境ホルモンが及ぼす悪影響の数値化はかなりつつましやかになっているが、知能指数で2%下がるということだ。査読付きで、フィンランドで提起されたテーマがスウェーデンや米国の専門家たちが内容を保証しているから間違いとは思えない。

 

 日本、厚労省は平成22年にビスフェノールについて「公衆衛生の見地から、ビスフェノールAの摂取をできるだけ減らすことが適当と考えられるので、関係事業者に対しては自主的取組をさらに推進していくよう要請し、また、妊娠されている方や乳幼児を育てておられる方への食生活上の助言を含め、ビスフェノールAについてのご理解を深めていただくためのQ&Aを作成いたしました。 」としているが、「調査を食品安全委員会食品健康影響評価を依頼し必要な対応を行うことに会いました」と、食品の安全を調べる部署に投げている。

 環境ホルモンという言葉は、生活環境にある化学薬品を対象としている。だが、昨今、マイクロプラスティックが体内に入っていると話題になったが、実はサブミクロンサイズのマイクロプラスティックはどれだけ入っているかを調べ切れていない。

 このマイクロプラスティックは細菌やウイルス、化学薬品の分子が付着する。つまり下水や川、海、海産物、家畜などを経由して人の体内へ運ぶ乗り物ともなっている。150トンのマイクロプラウティックを日本で生産しているが、1㎤のプラスティックが1ミクロンの立方体になると、その表面積は数十ヘクタールになる。そこに付着できるウイルスの量は数えきれない。そういった物をたくさん作って自慢している企業もあるが、ウイルスや細菌のキャリアーとならない予防線を考えて来なかった責任は企業のみにあるのではなく、政府にもある。世界で最も多くのマイクロプラスティックというこれまで人類が持っていなかったものを提供する時に危険性は、遺伝子操作などと同等、それ以上に重大。

 厚労省はきっと、そんなことは知らなかったと言うだろうが、危険な物は原爆のように、発明者は冥利を求め、人々が苦しむことに目をつぶるのだから、従来にない物を作ると言ったら調査すべきだ。でないと、国民が苦しむ。

国民が苦しんでも、法律に違反してないから文句を言われる筋はない、そんな発想が、説明責任を果たさないでも民主主義に反しないという、おかしな言い訳を続ける見苦しさをわきまえて欲しいものだ。

 

 食品安全委員会だけでなく、厚労省全体、経産省農林水産省など薬品を広めている企業などに関連する部署は責任をもって調べて行って欲しい。