インフラも医療も国の重要管理項目か?

◆電力、インフラに係る企業には厳しい監視があっても良いと思う。

 ウインター・ストームでアメリカでは、各地で凍死者やインフラの停滞があって、特にテキサス州では大規模停電が起きた。

 テキサス州の電力はERCOTというコミッティーが州内電力の9割を管理している。数年前、日本で電力価格の柔軟な運用を導入するためにその料金体系などが参考にされたので思い出す人もいるだろう。電力使用量のゆとり分が残り20%以下になると料金が徐々に高くなる。5分ごとに使用量が計測され、値段が変わるシステムだ。

 電力供給がひっ迫すると値段が上がるのでユーザーが節電を考える。同時に、電力会社の利益が増えるので設備拡大のための投資へ資金を回される。などが利点だが、実は、他の州では、電力がひっ迫すると他の州などから回してもらう。グリーン発電では供給量が一定しないので、必然的に融通政策が優先的にならざるを得ない。

 テキサス州は他の州から融通されない孤立した電力供給システムなのだ。直流で独特の電圧が用いられるので、州内供給量に余裕がないから値段でユーザーを管理しようとする、供給側が管理する形になってしまう。結局、ユーザーの批判は、柔軟性のない供給体制とユーザー不在の値決め、余剰料金の不正利用に集中する。

 そして、今回のウインター・ストームのような不測の事態が起きると、他州から電気を借りることも出来ず、余裕発電の投資に回されるはずが全く余裕を増やすことになっていなかった事と相まって、単独州の大停電が回復できないことになった。

 資金を積み立てて行って余裕を増やすなどという修辞的なシステムは、もともと破綻する可能性が見えている。余裕金があれば使いたくなるのが人間だから。そしてそれを管理するERCOTへの批判が過熱するのだが、役員を切るだけではなく、次へ向けて抜本的な改善が求められるだろう。もちろん、価格体系も含めて。

 日本が一つの見本と考えた課金システムも、厳格な資金運用監視が必要であることとなった。

 単独で孤立するシステムでは負荷が大きい。電力供給は多様な電源と広範囲な協力体制、事件や事故への対策が為されることも必須だ。日本の場合は地震や台風、大雪その他の事件もあり得る。決して他人事ではない話。

 

◆ワクチンは戦略物資。

 副反応はあるのが普通。でも、それが軽微であることがワクチン承認の要諦。

 軽微であることとは程度と持続時間、後遺症の有無だろうか。副反応があったと騒ぐのが報道機関。しかし、後遺症が何か、死者は出るのか、10分くらいで消えるのかどうか。・・・そういった情報が少ない。100万に20人が副反応といってもそれが死者数だったら問題だ。10人に5人が自覚と言っても10分も経ったらすべて回復するなら問題ない。

 それより、今の所、10社のワクチンが世界に流通しているが、日本はファイザーだけが昨日から接種されている。死者が出る感染症に対するワクチンは安全保障上の戦略物資でもある。日本は米国と英国の会社から供給を受けるらしい。インドはアストラのジェネリックを周辺国に無料で配布している。中国は太平洋とアフリカを重点的に、ロシアはCISと南米などに提供している。韓国もアストラのジェネリックの三月生産を準備しているが、これを日本へ輸出するとは一言も言っていない。

 もしも、日本がワクチンを緊急事態的に早期に開発していたならば、きっと米国、EUと、フィリピン、台湾などの近辺国に有償で提供したことだろう。他の地域は後回しになること間違いなし。安全保障の戦略物資を配るのは、その国との友好度を示すバロメーター。日本がどの国を優先しているかがばれてしまう。

 そういう意味では、ゆっくり開発して、国家間の友好度をはっきりさせないのも一つの戦略。かな?

 作れるから、さっさと作って売る。そんな基本事項から監視される業界なのです。安全保障と政治判断が混じる複雑な世界。